ガッテンで放送「糖質制限ダイエットの落とし穴」
2017/02/14
2016年7月6日、NHKのガッテン!(旧ためしてガッテン)で「糖質制限ダイエットの落とし穴」が放送されました。
近年では王道のダイエット法として定着してきた糖質制限ダイエット。効果の高さは確かですが、実践者からは健康被害や身体の不調を訴える声が上がっていると言います。
はたして糖質制限は身体に悪いダイエット法なのでしょうか?番組が指摘していた問題点をお伝えしていきます。
糖質制限アンケート
まずは、ガッテンが行った糖質制限のアンケート結果から見てみましょう。
なんと半数以上の人が糖質制限を経験済みのようです。さらに体験者の6割以上の人がダイエットに成功!これはなかなかすごい数字ではないでしょうか。4割は失敗してるともいえますが、効果なしというより途中でリタイアした人が結構いそうですね。
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全国10代〜90代の人を対象にインターネットで実施したアンケートのようです。
糖質制限ダイエット経験者の声
続いて、番組で紹介されていた糖質制限ダイエット体験者の感想見てみましょう。
成功談
まずは成功談です。当然、ポジティブな意見が並びます。
- 半年で8キロ減
- おしゃれが楽しくなった
- 他のダイエットをしても痩せなかったのに糖質制限をしたら4ヶ月で18キロすぐに痩せた
- 血糖値も体重も結果が出るので続けられる
失敗談
糖質制限ダイエットが多くの人に効果的であることは、十分理解できたと思いますが、ここで今回のテーマである糖質制限ダイエットの危険性に話が及びます。
糖質制限ダイエットによって、身体の不調を訴える声も多く上がっているようです。
- ダイエット中にちょっとフラフラした
- ドクターストップがかかった
- 足腰の筋力が落ち、立ち上がるのすらつらい状態になった(男性61歳)
- 体がなまりのように重くなり、朝ベッドから起き上がれないほどだった(女性45歳)
- めまいや体力低下を感じ、耳が聞こえにくくなった(女性19歳)
「耳が聞こえにくくなった」などは本当に糖質制限の影響?と疑ってしまうものもありますが、かなり深刻な症状なので驚いてしまいます。
糖質制限の間違ったやり方
糖質制限はやり方を間違えると、効果的なダイエット法から一気に危険性が増加してしまうことが、研究結果などからも明らかになっています。
- 糖質(炭水化物)をゼロにする
- タンパク質・脂質はそのままにする
一見問題なさそうに見える糖質制限のやり方ですが、赤字の部分に間違いがあるという指摘がありました。
糖質を減らしすぎるとエネルギーが足りなくなり、トラブルの懸念があるという説明でした。
実際には糖質をゼロにすることは難しいですが、原則、炭水化物をとらないダイエット法が危険であるとの説明。 いわゆる「ケトン体ダイエット」や「スーパー糖質制限ダイエット」が当てはまるでしょう。
正しい糖質制限ダイエットのやり方
それでは肝心の正しい糖質制限ダイエット方法を見ていきましょう。北里大学北里研究病院 糖尿病センター長 山田 悟さんによって解説が行われていました。
ポイントは次の2つで、赤字部分が特に重要になります。
- 糖質はゼロを目指すのでなく、1/3〜半分減にする
- タンパク質・脂質は増やす
1日の摂取すべき糖質量は?
平均的な1日の糖質摂取量は200gほどなので、100g〜150gほどを目指した低糖質ダイエットが理想です。糖質が100gを下回ると上で紹介したような身体異常が現れる可能性があるようです。とは言っても1日、2日糖質が下回っても問題ありません。実験結果では半年以上、低糖質な状態が続くと異常が現れたようです。
すべての食事の糖質量を計算するのはとても大変です。今の食事から50g〜100g分の糖質を減らすと考えたほうが、ダイエットしやすいと思います。
管理人おすすめの低糖質ダイエット法
当ブログでは、低糖質な食品を活かした無理のないダイエット方法を紹介しています。例えば、朝食の食パンをソイズケアバーに置き換えるだけで数十gの糖質減が達成できます。大豆を原料にしているのでタンパク質や食物繊維などの栄養素も豊富です。
参考:【低糖質No1】ソイズケアバーの置き換えダイエット効果!
ケトン体ダイエットの危険性
ケトン体ダイエットとは?
ケトン体とは、糖の代わりのエネルギー源です。脳に対して、糖以上に優れたはたらきをすると言われています。
ケトン体ができる仕組みは次のようなイメージです。
- 糖がなくなる → 脳はエネルギーがなくて困る → 糖の代わりにケトン体がつくられる
この仕組みをダイエットに活かそう、というのがケトン体ダイエットです。簡単にいうと、糖質制限をさらに厳しくしたダイエット法と言えます。
ケトン体ダイエットは避けるべき?
ケトン体については、
「脳細胞に対してはメリットがある」というデータが出ている一方、
「血管に対して障害を与える」という論文がいくつか出ている
という状況です。
解説者の山田 悟さんの主張では、長期間ケトン体が出た時の安全性はまだはっきりしていないので、避けておこうという結論でした。前半に紹介した「フラフラする」や「めまい」などの症状との因果関係も医学的には、明確なことは言えないようです。
個人的には、ケトン体が血管に障害を与えるのであれば、身体に障害が起きても不思議ではないとは思います。また、ケトン体が万能なのであれば、最初からケトン体を作り出すような仕組みになっている気がします。緊急エネルギーのような役割になっているには、それなりの理由があるのではないか?と考えてしまいます。
専門家でも意見が別れるところなので、本当のところは誰にも分かりません。分からない以上、危険な可能性があるダイエット法は避けてゆるい低糖質ダイエットを推奨する山田さんの意見に同感です。
まとめ
以前から急激な糖質制限が危険であるという主張は目にしていましたが、改めてそのことを実感することができました。
私は「ケトン体ダイエット」や「スーパー糖質制限ダイエット」を完全に否定するつもりはありません。中には相性がよく健康に問題のない人もいるかもしれません。
ですが、初めて糖質制限にチャレンジする人は、いきなり急激に始めないほうがよいでしょう。
「炭水化物をゼロにしなくては意味が無い」という原理主義者もいますが、それは効果が出なかった時に検討しても遅くはないと思います。